警察の自浄能力 → 無理

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留置場での出来事。
とにかく留置職員は真面目である。同じ警察組織の中だが断絶された世界がそこにある。規律通りに働き一人ひとりの被留置人に対しとても丁寧に対応する。刑事のような派手さはないが彼らのような縁の下の力持ちがいるから犯罪者予備軍を留置できるのだと確信した。

留置職員と刑事とは役割が全く異なるのだが、車で例えれば両輪のような動きでどちらが欠けてもうまく働かなくなってしまう。ドラマなどで留置職員を取り上げることはほぼ無いが、警察組織で極めて重要な役割を果たしていることに気づいた。僕の見立てでは、刑事よりも重要な役割を果たしていると思う。彼らの純粋な正義感が沸き起こり警察は成り立っていると言える。

実は、留置は刑事の登竜門らしい。刑事に直接聞いたのだが警察の花形である刑事になるためには留置職員を経験し下積みを経て晴れて刑事になるそうだ。警察学校、留置職員の間は警察官とは社会の取っ手どういう存在なのかみっちり教え込まるようで、我が国の治安は彼らの正義感によって保たれていると言える。

残念ながら、洗いたてのように真っ白に洗濯された職員は刑事になり酷く汚されてしまう。厳格なヒエラルキーの末端で働く刑事職員は何が本当の正義かを見失いながら上層部の言うがままに証拠を捏造したり被疑者を脅迫し供述を取る。洗脳とは、一度シャツを真っ白に洗ったあとに泥まみれにすることなのだろう。

昨今のニュースを見ていると、警察上層部は勘違いエリートが自らを正義の番人とし、汚れ仕事を部下に押し付けているようだ。上が汚れきっているのだから上意下達の組織に革命など起こせるはずはない。

市民としては警察の健全性を監視したいのだが、マスコミは警察とズブズブなので期待できず、第三者機関の存在が必要だといえる。

かつて鹿児島で志布志事件があった。今回の件でまた日の目を見ることになったのは喜ばしいことである。元検察幹部の三井環氏も指摘しているのだが、鹿児島は警察・検察共に腐敗が進み、犯罪の隠蔽は権力によって平然と行われている。無辜の市民を犯罪者に仕立て上げた志布志事件をもっと世の中の人に知ってもらいたい。権力に挑戦的なTBSのこのような報道は素晴らしい。

日本弁護士連合会:志布志事件(鹿児島選挙違反事件)

このような重大な事件が世の中に広く知られないのは非常に残念である。権力と一体のマスコミも自浄能力を持つべきなのだが、ジャニーズ事件のように海外から真のジャーナリズムがやってくるのを待つしか無いのだろうか。真の治安は海外からやってくることに期待できない・・・。警察の自浄は留置職員のような目の輝きを失っていない者が果たして欲しいものだが、あのような洗脳教育では難しいだろう。結局は我々市民意識に委ねられていることなのだ。

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